ノック・ノック (2015):映画短評
ノック・ノック (2015)ライター2人の平均評価: 3
イーライ・ロス監督は意外にもモラリストだった?
キアヌ・リーブス演じる主人公が親切心を出したばかりに、安逸の場である自宅で女性二人から痛めつけられる設定は誰にでも起こるかもとかなりぞぞ〜っ。
登場した瞬間からB級映画っぽいハスッパ感を漂わせている女性たちが常軌を逸し始める当たりからはイーライ・ロス節炸裂だが、お得意の血みどろホラーではなく心理的にぐいぐい攻めてくるのが新しい。しかも方法に疑問符がつくとはいえ、サイコな女性たちの目的が浮気した男性へのお仕置きという筋の通し方にはフェミニストもきっと大満足。ロス監督って意外にもモラリストだったようだ。
エロくて、クレイジーな『メイクアップ』が復活!
『食人族』オマージュ大会だった『グリーン・インフェルノ』に続き、イーライ・ロス監督が手掛けたのは、キアヌ・リーブスを主演に迎えた『メイクアップ』のリメイク。もう、どうかしてる! しかも、また自分の嫁(ロレンツァ・イッツォ)にとんでもないことをさせるドSっぷりを発揮。基本的にキャラ設定、ストーリー構成はB級サスペンスなオリジナルと変わらないが、日本公開時(79年)に存在してなかったSNSが効果を発揮。雨の晩、美味しい宅配ピザをいただいたことで追い込まれるキアヌの痴態を観る妻帯者は、ゲスにもファンキーにもなれないことを悟るだろう。また、オリジナル時の面影が一切ないコリーン・キャンプの登場も嬉しい。