花、香る歌 (2015):映画短評
花、香る歌 (2015)伝統芸能の世界に挑戦した少女の運命は?
パンソリや歌舞伎といった伝統芸能には複雑な掟がつきもの。その壁に挑んだ少女と師匠の関係が「巨人の星」から「エースを狙え!」へと変わっていく過程はお約束かもしれないが、説得力アリ。アイドル歌手スジの少し野暮ったい雰囲気は、夢に向かってまっすぐに突き進むヒロイン役にぴったりで応援したくなる。しかし彼女が課せられる歌の特訓シーンは失笑もので、『背徳の王宮』の性技レッスン場面に通じるが、苦い史実ドラマの一服の清涼剤? ヒロインと師匠の運命を握る大院君周りの事情が言葉足らずで、彼の豹変ぶりが突発的に感じられたのが唯一の弱点か。史実では謎となっている部分を気分よく納めてくれたエンディングににっこり。
この短評にはネタバレを含んでいます