グレート・ミュージアム ハプスブルク家からの招待状 (2014):映画短評
グレート・ミュージアム ハプスブルク家からの招待状 (2014)伝統の上に胡座などかいていられない現代の美術館事情
500年以上に渡ってハプスブルグ家が収集してきた美術品を所蔵するウィーン美術史美術館。その改装工事の様子に密着した本ドキュメンタリーからは、ヨーロッパでも指折りの由緒正しい美術館を取り巻く様々な裏事情が垣間見えてくる。
世界的なグローバル化の波にさらされ、利益を上げないことには存続も危うい。新たな顧客を獲得すべくブランド戦略を練り、若い世代にも興味を持ってもらえるような展示方法を模索するスタッフの姿からは、もはや伝統の上に胡座などかいていられない時代の厳しさが滲む。
さらには、修復作業の過程で名画に隠された意外な真実が明らかになるなど、とにかく目からウロコの面白いネタも盛りだくさんだ。
この短評にはネタバレを含んでいます