眼球の夢 (2016):映画短評
眼球の夢 (2016)眼球に取り憑かれた女の暴走する狂気とエロス
ピンク映画の生ける伝説・佐藤寿保監督の最新作は、’80~’90年代っぽいアングラ感を漂わせたビザールなカルト映画。
眼球に取り憑かれた女性カメラマンの周囲で繰り広げられる、酒池肉林かつ阿鼻叫喚の血みどろエロス。正直なところストーリーは難解で分かりづらいが、フェチ全開のスタイリッシュなビジュアルと狂ったような疾走感でグイグイと引っ張っていく佐藤監督の演出はエネルギッシュだ。
ノリとしてはホドロフスキーの「サンタ・サングレ」、もしくは「オペラ座 血の喝采」や「スタンダール・シンドローム」辺りのアルジェントといったところか。これを古いと見るか温故知新と見るかで賛否も分かれるかもしれない。
この短評にはネタバレを含んでいます