生きうつしのプリマ (2015):映画短評
生きうつしのプリマ (2015)親もまた一人の人間であるということを再認識
亡き母親と瓜二つの女性を見つけたヒロインが、かつて娘には一度も見せたことのなかった母親の別の顔を知ることになる。
フォン・トロッタ監督自身の実体験を基にしているだけあって、多分に私小説的な意味合いが込められていると言えよう。子供にとって親はあくまでも親。それだけに、生身の女としての母の一面を知った娘の胸中は複雑だが、しかしだからこそより人間として深く理解できるようになるのだ。
監督の前作「ハンナ・アーレント」に比べるとかなり地味な印象は否めないが、親子という普遍的なテーマに対する独特の切り口は面白い。78歳の元ボンドガール、カリン・ドールの出演も驚き。
この短評にはネタバレを含んでいます