古都 (2016):映画短評
古都 (2016)名作文学の続編を現代に置き換える裏技的ご当地映画
川端康成の名作『古都』の続編で、しかし舞台は21世紀の現代。なぜにそんなややこしいことを!?と見る前は首を傾げたが、なるほど、町興しのご当地映画だからこその諸事情があることはなんとなく分かった。
グローバル化の波が押し寄せる中、いかにして京都の伝統を守るのか?という問題を、今や母親となった千恵子と苗子のそれぞれの娘との葛藤を軸に、京都とパリという内と外の視点から見つめていく。確かに昭和が舞台では成立しないだろう。
京都ロケを駆使した映像は文字通り絵に描いたかのごとく美しく、恐らく外国人受けはいいはず。ただ、やはりストーリーは別に『古都』じゃなくてもよくない?としか思えないのだよね。
この短評にはネタバレを含んでいます