闇金ウシジマくん Part3 (2016):映画短評
闇金ウシジマくん Part3 (2016)ライター2人の平均評価: 3.5
『the Final』に備え、マネーゲームを楽しむべし。
前作『Part2』やドラマ「Season3」に比べ、過激・凶暴性に欠けるのは否定できないが、そこに関しては『the Final』までお預け! というわけで、話題の高報酬アフィリエイトにまつわるマネーゲームを扱った興味深い展開になっており、パン一姿も辞さないカリスマ塾長演じるハマケンの怪演が光る。ただ、クライマックスのパーティへの流れは、『Part2』のデジャヴかと思えるほど。一方の“中年会社員くん編”は、キャバ嬢&不倫というあまりにありがちな展開で、オリラジ藤森のゲスキャラに救われた感アリ。また、若手男優の使い方がめっちゃ巧いシリーズだが、本作では鬼邪高・村山とは別人な山田裕貴に注目すべし!
世の中、簡単に儲かるシステムなんてそうそうありません
冷酷だけどどこか憎めない闇金業者ウシジマくんの目を通して、金に踊らされる人々の転落人生から現代日本の世相を見つめるシリーズ第3弾。情報商材ビジネスの泥沼にハマった若者と、会社組織に胡座をかいて借金地獄に陥る大企業サラリーマンを中心に物語が展開する。
今回も社会風刺の切れ味は抜群だが、特に面白かったのは前者。壮絶で悲惨な展開が多いシリーズにあって、意外にも救いのあるストーリーは、将来が見えづらい今の若い世代に対する厳しくも前向きなエールだ。ネズミ講的な高額塾のカラクリと、ネットセレブなるものの虚像を暴いていく辺りも痛快。金儲けを人生の目標になんかしたってロクなことないからね。