ビリー・リンの永遠の一日 (2016):映画短評
ビリー・リンの永遠の一日 (2016)意図するところはいいのだが、引き込まれない
「人生で最悪の日のことでご褒美を受けるなんて奇妙」というせりふが示すとおり、今作は、イラクで恐ろしい状況にさらされてきた戦士たちの心と、平和ボケした一般アメリカ人、彼らをプロパガンダに利用しようとする人々などを、対照的に描いていく。戦争の本当の目的は石油なのかという論争やPTSDの問題、なぜ若い人たちがわざわざ軍隊に入るのかという社会的な現実にも触れられていき、考えさせられることも少なくない。なのになぜか、人間ドラマを描かせたら最高のリーにはめずらしく、引き込む力に欠けるのだ。助演に豪華すぎるキャストが揃っているだけに、残念な感じがする。
この短評にはネタバレを含んでいます