ミラノ・スカラ座 魅惑の神殿 (2015):映画短評
ミラノ・スカラ座 魅惑の神殿 (2015)スカラ座の過去・現在・未来を多角的に見つめる
ヴェルディにロッシーニ、プッチーニ、トスカニーニなどなど、音楽史・舞台芸術史に燦然と輝く偉大な才能たちによって彩られた、世界最高峰の劇場スカラ座の240年近くに及ぶ歴史を紐解くドキュメンタリー。
貴重なアーカイブ映像やインタビュー、再現ドラマを交えて過去の栄光を振り返りつつ、舞台裏で働くスタッフや専属オーケストラ団員、バレエアカデミーの生徒らの日常に密着することで、スカラ座の現在と未来をも見据えていく。その視点は非常に多角的だ。
ルカ・ビガッツィによるカメラの美しさも特筆もの。ヴィスコンティの演出でカラスが歌った時代に想いを馳せつつ、伝統の重みを背負った場所は違うとなあとため息をつく。
この短評にはネタバレを含んでいます