PARKS パークス (2016):映画短評
PARKS パークス (2016)ライター2人の平均評価: 4.5
ジョン・カーニー監督好きならツボります。
YUIばりにギターの弾き語りを魅せる橋本愛に、『TOKYO TRIBE』に続き、見事なラップを披露する染谷将太。しかも、2人を繋げる役回りの永野芽郁は使い方、演技ともに過去ベスト! 『四月物語』のようなMV感もありつつ、三角関係にドキドキしたり、地方都市でグダグダすることのない青春映画であり、『はじまりのうた』ならぬ、“はじまりのおと”というセリフが出てくるなど、ジョン・カーニー監督作好きはたまらない展開だ。とはいえ、一筋縄でいかないのが、6年ぶりの長編新作となる瀬田なつき監督作。まさかの展開に突入するフェス以降のメタ映画的展開は、賛否分かれるが、この実験的ノリ、これはこれでアリだろう。
その公園は、あなたの心の中にある
井の頭公園や吉祥寺はなじみのある街だが、そんな思い入れを越えて、た自然体の匂いが深くシミてくる逸品。
湧き出る生活感。役者たちの平成顔とも昭和顔ともとれるタイムレスな顔つき、ノスタルジックかつ素朴な音楽。限定された空間に息づく時を超えたファンタジーは、それらに支えられ、見る者のイマジネーションを刺激する。
日常と非日常。言葉と音楽。物語とミュージカル。ロメールのみずみずしさとゴダールのシュールレアリスム。1960年代のフランス、ヌーヴェルヴァーグが、現代の日本に甦ったなら、こんな作品になるのではないか……そんなことをふと思わせる。面白い!