笑う招き猫 (2017):映画短評
笑う招き猫 (2017)迷える人生に必要なのは笑いと友情
主演女優のゴタゴタによって、違う意味で注目されがちなのが惜しまれる小品佳作。基本的には売れない若手女芸人コンビの悲喜交々な友情を描く青春映画なのだが、夢を追うことの意味を問う人間ドラマとして、女の生きづらさを描いた女性ドラマとして、そしてお笑い業界の厳しい現実を突き付ける内幕物として、なかなか鋭い視点で斬り込んで来るのだ。
やはり要となるのは主演コンビの軽妙な演技だろう。これは失礼ながら意外な驚きだった。まるで漫才のような間の面白さやセリフの妙を存分に生かした飯塚健監督の演出、どこにでもいそうでいない風変わりな人々を演じる芸達者な脇役陣も功を奏している。
この短評にはネタバレを含んでいます