コール・オブ・ヒーローズ/武勇伝 (2016):映画短評
コール・オブ・ヒーローズ/武勇伝 (2016)ライター2人の平均評価: 4
極悪非道なルイス・クーの独り勝ち
『レクイエム 最後の銃弾』『新少林寺』あたりのベニー・チャン組キャストに加え、ダンテ・ラム組からエディ・ポンが参戦。恐ろしいぐらい『リオ・ブラボー』な展開のもと、サモ・ハンによるカンフー・アクションだけでなく、友情に裏切り、夫婦愛など、ドラマとしての見せ場も用意。にも関わらず、ひと昔前のチャン監督作にも似た歯切れの悪さ。主人公がラウ・チンワン演じるムチ使いの自警団団長か、ポン演じるいわくつきの流れ者か、焦点ブレブレなオールスター映画特有の罠に陥った感アリ。そんななか、『ドラゴン×マッハ!』に続き、極悪非道な将軍の息子を心の底から楽しそうに演じるルイス・クー。間違いなくヤツの独り勝ち!
西部劇と武侠映画をミックスさせると、いい感じ!
軍閥が虐殺と略奪を繰り広げる内戦下の中国を舞台にした武侠映画だが、展開や音楽などは西部劇テイスト。法に則って正しく生きる自警団長ヨンは保安官風だし、逃げてきた女教師と子供を助ける流れ者マーはシェーン? 将軍の息子でサイコな殺人鬼の歪んだ欲望のせいで村人の気持ちが千々に乱れるのもお約束だろう。キャラクター設定や人間関係はきちんと考えられているし、役者陣は全員素晴らしい。武侠ものなので胸にグッとくるシーンも多数だが、戦う場面ではアクション監督サモ・ハンの面目躍如! ウー・ジンの美技や桟橋上の乱闘にうっとりし、力強いダンスを見ているかのような大迫力アクションにずうっと大興奮しっぱなし。