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最低。 (2017):映画短評

最低。 (2017)

2017年11月25日公開 121分

最低。
(C) 2017 KADOKAWA

ライター2人の平均評価: ★★★★★ ★★★★★ 3.5

山縣みどり

AV関係だから特殊ではなく、あくまでも等身大の女性像

山縣みどり 評価: ★★★★★ ★★★★★

AV界と関わった女性の人生を垣間見る物語だが、メインとなる女性3人全員の気持ちを完璧に理解して共感するのは無理だった。私の日常とは遠すぎるというのが本音だ。ただ佐々木心音が体当たりで演じるAV女優と家族の関係や元AV女優の娘で女の性愛に嫌悪を抱く少女の心情には気づかされることも多々。唯一「?」と思ったのが閉塞感のある人生に風穴をあけるためにAV出演する主婦。思い込みの激しい彼女の言動に「それは違うのでは?」と突っ込むことしきり。個人的には主婦の姉を演じた江口のりこが抱える悩みや事情のほうに興味が湧いた。若手女優は時折セリフが聞き取れず、根岸季衣らベテラン陣の滑舌の良さにほっとする。

この短評にはネタバレを含んでいます
森 直人

女優(たち)の映画としては「最高。」の域

森 直人 評価: ★★★★★ ★★★★★

原作は陽性、映画は陰性。紗倉まなの小説に底流するタフな、というよりどこかあっけらかんとした「明るさ」が欠落している事に、実は最初引っ掛かっていた。身バレの社会疎外という主題性が強く、より一般的な視座に寄せた趣か。ただ原作の四編中三篇を再構成したパノラマ的な群像劇を観ているうち、原作とはまた別個の感銘に達していった。

下手すれば凡庸化になりかねぬ脚色の方向性を、しっかり映画の個性に定着させたのは何より女優陣の力だと思う。紗倉からグラデーションで繋がる佐々木心音、森口彩乃の大胆な踏み込み、山田愛奈が体現する思春期の刺々しさ。脇を固める実力者たち。各々が役割に適切かつ最高値で応じるアンサンブルだ。

この短評にはネタバレを含んでいます
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