オリーブの樹は呼んでいる (2016):映画短評
オリーブの樹は呼んでいる (2016)やわなエンディングにしなかった製作陣の心意気がいい!
祖父が愛したオリーブの樹を取り返そうとヒネた孫娘が頑張る。シンプルな物語のなかにスペイン農業の状況や不況にあえぐ人々の苦悩、ある出来事がきっかけで心が通じ会えなくなった父娘の関係といった人間ドラマを盛り込んだ構成がうまい。登場人物の描き方も丹念で、各人の気持ちもしっかり伝わる。環境保護を謳う企業の負の部分やSNSでつながる若者パワーが差し込まれるのでファンアタジックな締めになるかと思ったら、早とちり。製作陣の心意気はハードコア。好感度大! オリーブ農園を営んでいた設定なので美しい林が登場するが、それらはローマ人が植えたものという説明に心動かされた。2000年も生きるオリーブってすごい!
この短評にはネタバレを含んでいます