ヴェンジェンス (2017):映画短評
ヴェンジェンス (2017)レイプ被害者の心理に比重の置かれた異色リベンジ映画
集団レイプ被害に遭った若い母親とその幼い娘が、犯人側の悪徳弁護士やメディア報道によってさらに傷つけられ、同情した担当刑事ニコラス・ケイジが復讐に乗り出す。『狼よさらば』的なリベンジ物だ。
原作はノーベル賞候補にも名前が挙がる女流作家ジョイス・キャロル・オーツ。なるほど、レイプ被害者のトラウマや苦悩に焦点を当てたドラマ性の高さはそれが理由か。そういう意味で、バリバリのB級アクションとは趣が異なる。
ただ、悪役のステレオタイプな描写はドラマ部分のリアリズムを損なうし、なにより終盤の復讐劇は法の番人たる刑事としていかがなものか。むしろB級アクションとして開き直った方が良かったように思う。
この短評にはネタバレを含んでいます