ハッピーエンド (2017):映画短評
ハッピーエンド (2017)陽光の中、人々は集いながら遠く離れている
他人と良好な関わりを持つことができないのに、"家族"や"婚約者"という役割を担っている人々の群像劇。それぞれの人々の関係が密接ではない、どこか離れてしまっている、ということを視覚的に表現するために、カメラは被写体を遠く離れたところから離れたまま撮ったり、あるいは、カメラと被写体との間にガラスや格子扉があったりする。人々は思っていることを表出する時に、声で言葉を発するのではなく、デジタル画面にテキストで入力する。そういう人々が、明るい光の中で誕生パーティや婚約パーティという形式で集まり、一緒に食べたり飲んだりする。そういうハッピーな光景を、ミヒャエル・ハネケ監督が遠くから静かに見ている。
この短評にはネタバレを含んでいます