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枝葉のこと (2017):映画短評

枝葉のこと (2017)

2018年5月12日公開 114分

枝葉のこと
(C) Kurinke
森 直人

たぶん今年の映画でいちばんゴロッと生々しい

森 直人 評価: ★★★★★ ★★★★★

『魅力の人間』でPFFアワード2012準グランプリ。あれから何年だよ! 異能・二ノ宮隆太郎がようやく渾身の長編を撮った。推薦コメントで山下敦弘監督が「初期・北野武映画」を例に出しているが、本当にそう。あの歩行のリズム。ザキヤマ系の本人を映しているだけで、音楽一切なしの画面がこれだけ持つのは驚異的。

「重さ」を中心に、「軽さ」は脇に(クズな会話は相変わらず秀逸)。優しい不肖の放蕩息子にして、まだ終わっていない労働者にして、ある無名作家の鬱屈は、苛立ちの青春を過ごした者なら痛いほど染みるに違いない。不器用が反転した乱暴さと、面倒臭いほどの繊細さで、極私的な焦燥からひとつの普遍にタッチしている。

この短評にはネタバレを含んでいます
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