かぞくいろ-RAILWAYS わたしたちの出発- (2018):映画短評
かぞくいろ-RAILWAYS わたしたちの出発- (2018)それぞれの家族に自分たちなりの幸福がある
地方のローカル鉄道にまつわる悲喜交々の人間模様を描いた、『RAILWAYS』シリーズの7年ぶりとなる第3弾。今回は九州の「薩摩おれんじ鉄道」を舞台に、亡き夫の連れ子を抱えて路頭に迷った若き未亡人が、絶縁状態だった義父のもとへ身を寄せる。複雑な事情を抱えた家族が、自分たちなりの絆と幸せを模索していくというお話だ。過去シリーズ作品と同様、基本は昭和の香り漂うベタな人情ドラマ。しかし、旧態依然とした家族の概念を当然とする風潮が根強い日本社会にあって、その型に当てはまらない人々の抱く孤独感や疎外感を丁寧に汲み取った脚本はむしろ現代的だ。不器用で頑固な日本のお父さんを体現する國村隼はハマリ役。
この短評にはネタバレを含んでいます