スモールフット (2018):映画短評
スモールフット (2018)ライター2人の平均評価: 3
ミュージカル・ナンバーが、かなりガチ!
ワーナー・アニメ・グループ作品だけに、「ルーニー・チューンズ」のスラップスティック感を重視しつつ、『アイス・エイジ』なフォックスアニメ風の世界観の下、チャラい主人公などのキャラ造形は『モンスター・ハウス』なソニーアニメ風、異文化の交流などの展開は『モンスターズ・インク』なピクサー風と、かなり美味しいとこ取り! “スモールフット=人間”の存在を信じる、はぐれオタク集団「S.E.S」など、“ビッグフット=イエティ”世界も興味深いが、かなりガチで作られたミュージカル・ナンバーがいい。なかでも、コモン(日本語版は立木文彦)によるラップナンバーはかなりスゴいことになっている。
異文化間交流をアニメならではの楽しさいっぱいに描く
人間が"未確認生物ビッグフット"と呼ぶイエティから見たら、人間は"スモールフット"。そんなタイトルからも分かる通りテーマは深く、"異文化間の交流"という、移民問題をも連想させるタイムリーなもの。なので、イエティと人間の間で言葉が通じないというアニメには珍しい設定。同じシーンをイエティの視点、人間の視点の両方から描いて、すれ違いぶりで笑わせながら、それが人間同士の間でもあることに気づかせる。さらに、伝説=その社会固有の固定概念についての物語にもなっている。もちろん、アニメならではの楽しさは満載。ゼンデイヤが声を担当するイエティの族長の娘が空想世界を飛び回りながら歌う"想像力"の歌が気持ちいい。