今日も嫌がらせ弁当 (2019):映画短評
今日も嫌がらせ弁当 (2019)ライター2人の平均評価: 3
共感ポイントも多い人気ブログ原作の母娘ドラマ
反抗期で口もきいてくれない娘への嫌がらせで始めたキャラ弁が、やがて母娘の絆を深める大切な役割を果たしていく。人気ブログの映画化ということで、なるほど企画物臭が漂うことは否めないものの、スギちゃんや小島よしおなど一発屋芸人のネタを盛り込むなど、まるで開き直ったかのごときポップな演出がいい具合に照れ隠しとなっている。なにより、手探りで子育てに奮闘してきたシングルマザーの母親、まだ何者でもない自分への不甲斐なさを親にぶつけてしまう娘、それぞれの心情がきっちりと描き込まれており、意外にも共感できるポイントが多い。篠原涼子と芳根京子のナチュラルな芝居も好感度高し。
決め手は母娘のキャスティング
原作が人気ブログだけに、企画モノ感満載だが、シングルマザーと反抗期の娘に同じ事務所の先輩、後輩である篠原涼子と芳根京子をキャスティングできたことが成功のカギとなった。2人の芝居がしっかり軸になっており、それが塚本連平監督の深夜ドラマ<<<バラエティ寄りな演出をギリギリのラインでセーブしている。だからこそ、スギちゃんや日本エレキテル連合ら、一発屋芸人ネタがフックとなり、襖と焼きイモのエピソードなど、ムチャクチャな展開が笑えたりする。映画オリジナルであるシングルファーザーのエピソードも悪くないが、お涙頂戴のクライマックスだけは、あまりにやり過ぎで冷める。