アイ・フィール・プリティ! 人生最高のハプニング (2018):映画短評
アイ・フィール・プリティ! 人生最高のハプニング (2018)ライター2人の平均評価: 3
爆笑しつつ、痛いとこころを突かれて背筋が伸びる
エイミー・シューマーの笑いは今回もスルドい。「エイミー、エイミー、エイミー! こじらせシングルライフの抜け出し方」ではタイトル通り、こじらせシングルを自虐ギャグ満載で笑ってみせた彼女が、今回描くのは美人コンプレックス。しかも設定は、もしも頭部を強打して自分が美人に変貌したと信じ込んだら、というかなりの変化球。ヒロインが"美人じゃない"という劣等感から解放されて大活躍するのは気持ちいいが、それだけじゃない。自分も美女が陥りがちな問題行動をしてしまったり、無意識のうちに美人に対して偏見を持っていたことに気づくところまで描くのが、本作の賢さ。爆笑しつつ、痛いところを突かれて背筋が伸びる痛快作。
メッセージはすばらしいが効果的に伝わるかは疑問
外見で判断されがちな世の中だが、本当の美しさとは、自信を持ち、自分らしくあること。そのメッセージを伝えるのは、人気コメディアン、エイミー・シューマー。彼女は体当たりで役に挑んでいるが、どうも心に響かない。ひとつには、シューマーが37歳という事実があるかも。ルックスに関して最も悩むのはもっと若い女性なので、20代の太め女優にしたほうが、共感度が増したのではないかと思うのだ。一方でシューマーが羨望の目で見る“美しい”女性はみんな若くて、その子たちと比べるか?と感じてしまうのである。話の展開も都合良すぎるし、何よりコメディなのに可笑しくないところが致命的だ。