アース:アメイジング・デイ (2017):映画短評
アース:アメイジング・デイ (2017)まだこの映像が採取できる地球に感謝
なんだかんだで結局観てしまうBBCのネイチャー・ドキュメンタリー最新作。4Kカメラによる名場面集めには一切の妥協なし。映画館で大自然の驚異と美を味わうのは、いかにも現代人の倒錯的な行為という気もするが、終盤で都市の生活にも接続することで、我々も他の動物たちと同じサイクルの一日を生きているという視座を提供する。
環境破壊が深刻化し、未来のヴィジョンがことごとくディストピアめいてしまう現在、地球の天然素材だけで出来た本作がもたらす気分は「癒し」と「安心」だ。これほど世界を肯定の目線で捉えている映像はいまや珍しいのかもしれない。フラハティ『モアナ 南海の歓喜』との二本立なんて発想もアリだと思う。
この短評にはネタバレを含んでいます