ザ・アウトロー (2018):映画短評
ザ・アウトロー (2018)ライター2人の平均評価: 3.5
マイケル・マン風味の骨太なハード・アクション
『エンド・オブ・ホワイトハウス』の脚本家クリスチャン・グーデカストの監督デビュー作。オープニングを飾るロサンゼルスの夜景シーンからして、マイケル・マンからの影響が濃厚なことは明白だ。中でも、ロス市警VS強盗団の熾烈な戦いを軸にした脚本の構成、刑事の職務にのめりこみ過ぎて私生活の破綻した主人公ジェラルド・バトラーのキャラなど、『ヒート』を意識していることがよく分かる。それだけにストーリー展開に既視感は否めなし、若干尺が長すぎる気もするが、しかしどっちがギャングだか分からない警察特捜班の荒くれ者ぶりは面白いし、徹底してハードなアクションの演出にも見応えがある。シリーズ化決定は朗報だ。
50セントとアイス・キューブの息子の共演にグッときた
これがデビューとなる監督は多分、『ヒート』のファンなのだろう。タフな刑事と組織化された銀行強盗の対立の図式やそれぞれの人生模様の描き方などにM・マンの影響がにじむ。銃撃戦もめちゃくちゃかっこいい! ギャングと紙一重という風情のワルっぽい刑事ニックをJ・バトラーが熱演するが、対する強盗団のボス役P・シュレイバーの存在感がやや薄い。勿体無い。本筋とほぼ無関係なニックの家庭事情も削除案件だろう。とはいえ、強盗もの好きとしては緻密な計画に沿った強盗団の鮮やかな手腕を見るだけでも楽しい。さらにドクター・ドレー音楽一家でもある50セントとキューブの息子オシェア・ジャクソンの共演にもグッときた。