ピアソラ 永遠のリベルタンゴ (2017):映画短評
ピアソラ 永遠のリベルタンゴ (2017)鬼才ピアソラの素顔に迫る、愛情に満ちたドキュメンタリー
アルゼンチン・タンゴの革命児と呼ばれた偉大な作曲家にして演奏者、故アストール・ピアソラの素顔を、膨大な数の秘蔵映像や生前のインタビュー音声、息子であり共演者でもあったダニエルの証言などを交えながら紐解いていくドキュメンタリー映画だ。中でも、愛する家族との楽しげなバカンスや穏やかな団欒のひと時を記録した8mmフィルムの数々は、鬼才ピアソラの心優しき父親としての一面を如実に伝えて興味深い。そんなピアソラ自身の父親の、とことん息子を持ち上げ褒め倒して才能を伸ばすという、愛情溢れる英才教育法にも感じ入るものがある。数々の困難と試練を乗り越えられたのも、才能の根底に深い愛があったからなのだろう。
この短評にはネタバレを含んでいます