氷上の王、ジョン・カリー (2018):映画短評
氷上の王、ジョン・カリー (2018)ウィアー、町田樹、羽生結弦へと受け継がれた何かも発見できる
スポーツか、芸術か。フィギュアスケートの採点競技ゆえの難しさに、1970年代から立ち向かった金メダリストの苦闘がにじみ出る作り。さらにセクシュアリティを暴露された悩みにもフォーカスし、同時代で同じ病で亡くなったフレディ・マーキュリーも何度かオーバーラップする。
NYメトロポリタン劇場のステージに氷を敷き詰めてショーを行うなど、当時としては革新的チャレンジの数々からも、あまりに早く失われた才能の大きさを実感。現在のスケーターたちに与えた影響など、フィギュアの歴史を振り返る気分にも誘われる。粗い映像も多いが、要所にパフォーマンスを挿入し、カリーの人生と重ねる構成は、オーソドックスながら見やすい。
この短評にはネタバレを含んでいます