記者たち 衝撃と畏怖の真実 (2017):映画短評
記者たち 衝撃と畏怖の真実 (2017)21世紀版『大統領の陰謀』とはならなかった
やはりトランプ時代のアメリカに対する強い危機感の表れなのだろう、コメディの巨匠ロブ・ライナーが前作『LBJ ケネディの意志を継いだ男』に続いて取り組んだ政治サスペンス。9.11以降、「愛国」と「報復」の空気がアメリカ社会を支配する中、イラク侵攻の口実となった「大量破壊兵器の保持」という米政府の捏造を唯一見抜き、アメリカ中を敵に回してでも真実を暴こうとした実在の新聞記者たちを描く。モデルとなった人々の不屈のジャーナリスト精神には心底感服するし、そもそも面白くて当然のストーリーのはずなのだが、残念ながら全体的に実話の表層をなぞっただけという印象は否めない。
この短評にはネタバレを含んでいます