バースデー・ワンダーランド (2019):映画短評
バースデー・ワンダーランド (2019)ライター2人の平均評価: 3
あくまでも、児童文学の映画化
ワーナー・ブラザースのアニメということもあり、いろんな意味で『ブレイブストーリー』『ひるね姫』あたりとの共通点・問題点も多い本作。『恐怖の報酬』オマージュシーンなど、バディものとしての見せ場があるが、とにかく主人公・アカネのキャラが魅力的に見えない。また、伏線回収など、丸尾みほとは思えないほど、脚本の粗さも目立ち、結果『カラフル』にならなかったのは悔やまれる。原恵一監督作だけに、ハードルを上げたくなってしまうが、児童文学の映画化と割り切って観るのがベターだろう(にしては、115分は長い)。イリヤ・クブシノブのキャラデザインやmiletによる楽曲のスケール感などから、★おまけ。
可愛い小物好きのお気に入りアイテムが大集合
主人公の容姿のデザインに意味が隠されている。物語上の具体的な設定とは別に、主人公の姿は"幼女"を脱皮した女性であることを示すだけで、年齢は特定できない。その形状は、まだ少女期に入ったばかりの女性が抱くセルフイメージにも見えるし、すでに成人になった女性の内部にある少女性を擬人化したものにも見えるように作られている。そして、そのどちらが主人公でも成り立つ物語になっているのだ。
アイテムとそのデザインも、彼女たちの嗜好に合わせたもの。異国の民芸品風のランプ、入国審査をする猫たち、モフモフの動物、肩に乗る小鳥サイズの少年、口髭の紳士、苦悩する異形の存在などが物語を彩る。