ホテル・エルロワイヤル (2018):映画短評
ホテル・エルロワイヤル (2018)タランティーノ風味のスタイリッシュなバイオレンス映画
『キャビン』のドリュー・ゴダード監督の最新作は、デジタル配信での日本公開。舞台設定は’60年代末。10年前に殺人事件のあった、今は落ちぶれた田舎の高級ホテルにワケありな人々が集まり、やがてそれぞれの思惑を巡って殺し合いが始まる。ベトナム戦争にケネディ暗殺、公民権運動にマンソン・ファミリー風カルト集団など、当時の世相を巧みに織り交ぜつつ、お洒落でスタイリッシュなネオノワール・タッチのバイオレンス映画に仕上げた作風は、明らかにタランティーノの影響が濃厚。もうちょっと短くまとめられたとも思うが、各人の人生や事情が複雑に絡み合う脚本はよく出来ているし、ジェフ・ブリッジス以下の多彩なキャストも魅力だ。
この短評にはネタバレを含んでいます