殺人鬼を飼う女 (2019):映画短評
殺人鬼を飼う女 (2019)ある意味、ロマンポルノ版『スプリット』
Jホラーの立役者・中田秀夫監督の最新作。幼少期に受けた性的虐待が原因で、解離性同一性障害を抱えてしまった女性の周囲で殺人が引き起こされる。ただし、ホラー要素はかなり希薄。どちらかというとサイコ・サスペンス風のロマンポルノといった印象で、組んず解れつの荒々しくも濃厚な濡れ場が盛りだくさん。この辺は少なからず好き嫌いが分かれるかもしれない。その一方で、4つの別人格を4人の女優が演じ分けるというアイディアは面白く、ストーリー上でもちゃんと意味を成している。ヒロインの毒母を演じる根岸季衣の怪演も強烈!ただ、多重人格の深層への掘り下げが十分とは言えず、ヒロインの心の闇もいまひとつ見えづらい。
この短評にはネタバレを含んでいます