パドマーワト 女神の誕生 (2018):映画短評
パドマーワト 女神の誕生 (2018)インドの黒澤+ヴィスコンティな映像美にやられた
文学的で壮大な歴史大作を得意とし、絵画的な映像美が特徴のサンジャイ・L・バンサーリー監督。迫力ある戦闘シーンや心の機微を表現する役者の表情の捉え方などを見てもインドの黒澤と呼ばれるのは納得だ。しかも本作の豪華絢爛さは耽美な世界観を貫いたヴィスコンティに近く、荘厳な宮廷や華麗な衣装、炎の使い方などため息が出るほど素晴らしい。群舞シーンもボリウッド映画お約束というより、キャラの心情を表現するための振り付けで見応え十分。王妃の美貌が小国の運命を危うくする展開は実話ベースの創作だが、王と王妃の出会いや自画自賛が多い狂王と邪心溢れる宦官との妖しい関係性など文化的にも興味深い逸話が多かった。
この短評にはネタバレを含んでいます