暁闇 (2018):映画短評
暁闇 (2018)![暁闇](https://img.cinematoday.jp/a/T0024126/_size_640x/_v_1561453222/main.jpg)
15歳のリアル。
謎のアーティストが生み出す音楽が、孤独な中学生の関係性を繋いでいく展開から、“ネット配信時代の『リリイ・シュシュのすべて』”といえるかもしれない。そんなキーワードとなるLOWPOPLTD.による楽曲は、心の痛みを表現した作品の世界観そのものであり、『少女邂逅』の平見優子が撮影を手掛けていることもあり、同様の美しさと危うさも見え隠れする。また、3人の主人公の“秘密基地”となる廃墟ビルの屋上など、ロケーションの巧さが随所に光り、土手から3人と花火を眺めるカットは圧巻の一言。初監督作にして、15歳のリアルを57分間で描いた阿部はりか監督には、今後もこの濃密なこだわりを貫いてほしい。
この短評にはネタバレを含んでいます