イソップの思うツボ (2019):映画短評
イソップの思うツボ (2019)『カメ止め』と比べるのは酷
3人の監督が1本のクライム・サスペンスを手掛けるアイデアは、『強奪のトライアングル』に近いものがあるが、本作はリレー形式でなく、三家族のエピソードをそれぞれが担当、3人共同演出のクライマックスに突入する流れだ。そんななか圧倒的に戌井家のエピソードの弱さが際立ち、そこにヤクザ組織も絡んでくるため、かなり強引さが目立つ。テイストとしては、量産されたタランティーノ・フォロワー作品のようで、コメディ色はかなり薄め。にも関わらず、『カメ止め』同様の家族愛が描かれ、妙に丁寧すぎる演出があったりと、観る側は戸惑う一方。若手女優の見本市としては成功しているが、『カメ止め』と比べるのは酷。
この短評にはネタバレを含んでいます