弥生、三月 君を愛した30年 (2020):映画短評
弥生、三月 君を愛した30年 (2020)ライター2人の平均評価: 3
もはや、お家芸となった成田凌のダメ男芝居
相変わらず、成田凌のリアルすぎるダメ男芝居がハマる、「十年愛」×3にして、“日本版『ワン・デイ 23年のラブストーリー』”。波留演じる“言いたいことは言わずにいられない”、どこか空気の読めないヒロインは、いかにも遊川和彦が書きそうなキャラだが、その変人キャラが物語を転がしてくれず、あくまでもTVサイズ止まり。また、キーワードとなる「見上げてごらん夜の星を」はスタンダードな楽曲ではあるものの、日航機墜落事故に絡めたとしても、当時のヒット曲でないため、インパクトに欠けるうえ、見どころであるはずの“すれ違いの美学”も韓流ドラマなどに比べると、どこかエモさが足りなかったりする。
時代の節目に
4月公開の『糸』もそうですが、平成が終わったという大きな時代の節目が作り手の創作意欲を掻き立てるのでしょう。
30年間の3月を切り取るということもあって、ちょっと駆け足な部分があるのと自制を行ったり来たりするので、出だしでは混乱する部分もありますが、沙羽後まで見れば伏線だったことがよくわかるので、じっくり味わいながら見ていただければと思います。
3月の出来事を描くということなので、2011年の3月11日も描かれます。9年が過ぎて、フィクションの中にも描かれるようになってきましたね。