アントラム 史上最も呪われた映画 (2018):映画短評
アントラム 史上最も呪われた映画 (2018)フェイクとフィクションの技アリな融合
見た者は命を落とす、恐ろしい映画……というハッタリ感が、まず頼もしい。ホラーの恐怖は、見る前から始まっている。
1979年製作というこの映画が、どんな悲劇を引き起こしたかを導入部で紹介。構造的にはフェイク・ドキュメンタリーで、前振りに続いて”呪われた映画”が始まる。
亡き愛犬を甦らせようと、森の中をさまよう姉弟が怪現象や野蛮人コンビに遭遇。そんな物語は破綻もあり出来が良いとは言えないが、発掘フィルムらしい映像の粗さや、サブリミナル挿入の効果もあり、姉弟の壮絶なサバイバル劇の不条理性が、いかがわしく輝く。客観性を活かした、アイデアの勝利。
この短評にはネタバレを含んでいます