#ハンド全力 (2020):映画短評
#ハンド全力 (2020)ライター2人の平均評価: 3
すっかり男前な若者に成長した加藤清史郎くんに要注目!
震災からの復興もままならない熊本を舞台に、「いいね」を稼ぐために“頑張っているふり”をしてSNSにフェイク写真を投稿する高校ハンドボール部の男子たちが、やがて本気で部活に取り組んでいくこととなる。いまだ癒えない心の傷を人知れず抱え、復興を応援なんて綺麗ごとじゃん!と斜に構え、頑張ることを諦めてしまった少年の再生ドラマ。すっかり男前な若者に成長した加藤清史郎くんを筆頭に、メインキャストの弾けるように生き生きとしたアンサンブル演技が好印象だ。ご当地映画らしいローカル・ネタを随所に配しつつも、トータルではあざとさを感じさせない爽やかな後味の作品に仕上がっている。
家族で楽しめる“頑張っているフリ”なスポ根映画
被災地・熊本のご当地映画とハンドボールのスポ根映画という、あまりにベタすぎる定番フォーマットを融合させた一作だが、そこは汗や熱血といったワードが果てしなく似合わない松居大悟監督作。SNSを使った“頑張っているフリ”がバズったことで巻き起こる真実とフェイクが入り混じった騒動を描いていくことで、なかなか面白い展開になっていく。ヤバいところまでいかない炎上描写はモノ足りないが、そんな警告止まり感は、家族揃って楽しめるラインをキープ。銭湯でのやり取りなど、松居監督が得意とする男子のわちゃわちゃ描写は微笑ましく、数年後は『男子高校生の日常』同様、お宝映画として化ける可能性もアリ?