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無頼 (2020):映画短評

無頼 (2020)

2020年12月12日公開 146分

無頼
(C) 2020「無頼」製作委員会/チッチオフィルム
森 直人

実録路線の彼方へ――戦後史という長距離をブレずに走る金字塔

森 直人 評価: ★★★★★ ★★★★★

井筒和幸版『ゴッドファーザー』の面持ち――三男坊マサジ(松本利夫)はA・パチーノ扮するマイケルに擬えられるが、本質はむしろ『アイリッシュマン』だ。米国のスコセッシと立ち並ぶ戦後日本の裏面史(ならば『ガキ帝国』は『ミーン・ストリート』か?)。希少な本物のストリート派が16mmフィルムの素晴らしい質感で堂々撮りあげた傑作叙事詩だ。

高度経済成長が始まった1956年(昭和31年)夏からの「生々しい昭和史」+平成不況の始まり。約40年を背景に無頼の「持たざる者」達の凌ぎを描く。新左翼とヤクザ界の流れがパラレルに配置され、真ん中の視点で歴史を追走。深作欣二の『北陸代理戦争』オマージュも必然&最高。

この短評にはネタバレを含んでいます
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