悲しみより、もっと悲しい物語 (2018):映画短評
悲しみより、もっと悲しい物語 (2018)ライター2人の平均評価: 4
オリジナルより洗練された仕上がりに
不幸な過去を持つ2人が出会い、さらに不幸を引き起こすホラー展開に「やめて~!」と叫びたくなる、ほんとは怖いラブストーリー。韓国オリジナル版同様、賛否を呼んだラストが待ち受けるが、未発表のデモ曲をめぐる歌姫のエピソードの脚色やMV風演出もあり、どこか泥臭い印象だったオリジナルより洗練された仕上がりに。また、2人が出会う高校時代のエピソードでは、台湾映画特有のキラキラ感も堪能できるだろう。出世作『聴説』から10年、改めてアイビー・チェンが心の闇を笑顔で隠す芝居が巧い女優であることを実感させられるうえ、彼女の少女時代を演じるのがヤオ・アイニンというキャスティングが絶妙すぎ!
何が起こるかわかっていても号泣するはず
クォン・サンウがその涙力を存分に発揮したラブストーリーをぽかぽか男子リウ・イーハオでリメイクは意外だが、やっぱり泣ける。前半は気恥ずかしい場面も多いし、後半は主役Kとクリームのエクストリームな行動に突っ込みを入れもした。が、それも愛する人を思うが故の純愛と納得させるG・リン監督の演出が巧みだ。A-Linが本人役で登場し、物語の起点となる贅沢な演出にも驚かされた。エクボと笑顔が魅力のリウが悲しみを秘めたKのキャラをしっかりと作り上げていて、違和感無し。結婚式場面の彼の涙力に心動かされ、号泣。Kの想いを汲み取るクリーム役のI・チェンもまたチャーミングで、星1つ追加。