グランド・ジャーニー (2019):映画短評
グランド・ジャーニー (2019)
アウトドアとジュブナイルの詩
『世界ふしぎ発見』でも取り上げられた実話の映画化にして、ネイチャードキュメンタリーの最良形に限りなく近いドラマ映画。傑作『WATARIDORI』(01年)の成果をしっかり受け継いでいる。BBCの同系作などは審美性に走りすぎのきらいがあるが、こちらは手作り感覚。有機的な生命のアクション重視で、風景にも詩情がある。
お話の構造は少年の冒険&成長譚、そして親子・家族の物語。スウェーデンの児童文学『ニルスのふしぎな旅』への言及が3回あるが、筆者の中で脳内再生されたのは当然、押井守も演出に参加したスタジオぴえろ(現・ぴえろ)のTVアニメ版だ。いつしか「ほぼゴダイゴ」の主題歌が頭に鳴り響いていた。
この短評にはネタバレを含んでいます