僕は猟師になった (2020):映画短評
僕は猟師になった (2020)ライター2人の平均評価: 4.5
猟師の日常から考察する「生きるために動物の命を頂く」こと
普段は会社員として勤務しつつ、猟師免許を取って罠猟を続ける千松信也氏の日常に密着したドキュメンタリー。2年前にNHKで放送された映像に、さらなる追加取材を行って完成させた作品だ。大の動物好きでありながら、生きるために動物の肉を食べる。その矛盾に疑問を抱いたことが猟師になる動機だったそうだが、それにしても銃器を持たず罠を使って野生動物を捕え、格闘の末に仕留める罠猟はまさに命がけ。これが氏にとって「動物の命と向き合う」ことの答えなのだろう。誰にでも真似できることではないが、しかし観客自身が「肉を食べる=生命を頂く」という当たり前のことについて、その是非を改めて考えるきっかけにはなるはずだ。
自然と共存するような生き方に魅了されました
新型コロナの影響で、今後の人生を考え始めたときに見て、大いに感銘を受けた。主人公の千松氏はくくり罠猟師で、狩猟期にイノシシや鹿を捕らえる。狩場はなんと自宅の裏山だ! 山に入った千松氏がさまざまな痕跡から動物の行動を読み取る姿にただもう敬服するのみ。彼と家族はまた鶏を飼育し、庭で野菜を育て、養蜂も行う。自然の恵を生活に取り入れる千松家の暮らしぶりはとても豊かで、まるで生態系の一部に収まっている(ように感じられた)。オーガニック野菜を買ってロハスだわ〜と自己満足する自分を猛省するとともに、とりあえずプランターで小松菜でも育てようと種を買いました。何ごとも踏み出すことが大事だから。