ホワイト・ストーム (2019):映画短評
ホワイト・ストーム (2019)ライター2人の平均評価: 4
香港サブウェイ・パニック!
大御所なのに懐かしのチンピラ演技も魅せるアンディ・ラウに、明らかに極悪トニー・スタークなルイス・クー。そこに、アンディと“五虎将”仲間のミウ・キウワイが絡んだ、前作『レクイエム 最後の銃弾』同様、白い毒(ヘロイン)をめぐる3人の男の数奇な運命。『SHOCK WAVE 爆弾処理班』に続き、ハーマン・ヤウ監督作とは思えぬ大作感にシビレながら、1/1で再現した地下鉄駅構内で展開されるカーチェイスに唖然。説教臭さも忘れるほどのブッ飛んだ描写に、サム・リーやラム・ガートンらの豪華脇役陣、エンドロールに流れる主演2人のデュエット曲まで、随所に飛び散る香港映画汁に火傷する小籠包みたいな一作だ!
痒いところに手が届いている香港アクション
原題的には『レクイエム 最後の銃弾』続編だが、テーマが類似なだけ。麻薬が原因で袂を分かったヤクザ義兄弟の人生がある悲劇で交錯し、警察とアフガンギャングを巻き込む事態に発展するまでがドラマティックに描かれる。A・ラウ演じる主人公は麻薬を憎悪する元ヤクザで、降りかかる悲劇のせいで彼にぐうっと肩入れする。敵役L・クーは最近ダークな魅力を発揮していて、本作でも思い切り暴れている。振り切った感じがいい。迫力あるアクション場面が多いのも見どころの一つで、クライマックスの地下鉄での追跡劇はカッコよく、カタルシスあり! ラウチンやN・チョンのカメオ出演を期待したが、最後まで登場せず。残念。