ザ・ビジター (1979):映画短評
ザ・ビジター (1979)ライター2人の平均評価: 3
ニュー・エイジ・テイストの'70年代イタリア産オカルト映画
『デアボリカ』や『テンタクルズ』の製作者が手掛けた、’70年代のイタリア産オカルト映画がまさかの日本初公開。ストーリーの基本はまんま『オーメン』なのだが、唯一神ヤハウェと悪魔ザティーン(サタン)が実は異星人だったとすることでSF要素を加え、そのうえで神秘主義的なニュー・エイジ・テイストに仕上げている。分かったようでよく分からない話はさすがに面白いと言い難いものの、独特の奇妙な味わいがあることは確かで、海外でのカルト人気も頷けるだろう。往年の大物スターを配したキャスティングもなかなか豪華。ジョン・ヒューストンにサム・ペキンパーという2大巨匠、さらにはカリーム・アブドゥル=ジャバーまで顔を出す。
幻の「何だコレ!?ミステリー」
日本ではビデオリリースのみのカルト大作が、まさかの劇場公開。1979年当時流行りのSFに、少女版『オーメン』に『ローズマリーの赤ちゃん』なオカルト色をプラス。『鳥』『上海から来た女』などのクラシックに、いきなりジャッロ風味がブッ込まれるなど、『テンタクルズ』のプロデューサーらしい、イタリアンてんこ盛り。シーンとまったくシンクロしない仰々しいテーマ曲もツボるなか、『天地創造』でのノアのイメージを踏襲したと思われるジョン・ヒューストンのほか、「家政婦は見た!」なシェリー・ウィンターズ、“ブラッディ・サム”のイメージ皆無な医師役のサム・ペキンパー監督と、豪華キャストによる謎の怪演もスゴい。