キンキーブーツ (2018):映画短評
キンキーブーツ (2018)日本上演版ローラ役との違いにも思いを馳せ、目頭が熱くなる
作品自体の完成度は言うまでもなく、舞台を映像で届ける目的においてハイレベルの仕上がり。この種の作品は時折、「もっと引きで見せて!」「そっちにカメラ向けすぎ」など不満も必ず生じるが、カメラのアングル、動き、転換(編集)など観客が「感じたい」ちょうど良さ。役者の微妙な表情やしぐさ、小道具がはっきり見えつつ、舞台独特の全体的盛り上がりもクリアする。
日本での上演版を観た人には、比較する楽しみも大きい。こちらのマット・ヘンリー、そして三浦春馬。同じローラ役なのに肉体のシルエットや、指先も含めた細かい所作で、かなり印象が違う。その差異が作品のムードも変えるという意味で、両俳優の才能を強烈に実感。
この短評にはネタバレを含んでいます