POP! (2021):映画短評
POP! (2021)単なるヒロインの成長物語ではない!
「コーエン兄弟の『シリアスマン』を意識した」という小村昌士監督の発言には妙に納得させられるが、森田芳光監督作も思い起こさせるシュールかつ変態な世界観が展開し、そのモヤモヤ感がクセになっていく。とにかく、タイトルから小村監督の術中にハマっている怪作といえる。パーソナリティを務めるチャリティ番組の被りモノを、ハートかケツか真剣に悩み、バイトでは誰もいない駐車場を管理する小野莉奈演じる世間知らずなヒロインの成長物語なのだが、彼女を取り巻くキャラがクセ者揃いなうえ、隠喩・暗喩といえるアイテムが続々登場。さらに、タイトルの真の意味を知ることで、「なるほど!」となること間違いなし。
この短評にはネタバレを含んでいます