月の満ち欠け (2022):映画短評
月の満ち欠け (2022)ライター2人の平均評価: 4.5
目黒蓮がここまで80年代の高田馬場が似合うとは!
“お笑いなしの大泉洋+月”と言う意味では、どこか『半分の月がのぼる空』を思い起こさせる泣けるラブストーリーだが、じつはかなりのトンデモ設定。そこにできるだけ説得力を持たせるための豪華キャスト共演となるわけだが、そのなかの一人を目黒蓮が担っているところが、大きなポイントである。彼が演じる哲彦のバイト先がビデオ屋からレコ屋に変更されたことは残念だが、ここまで1980年代の高田馬場(駅前のオープンセットも最高!)と早稲田松竹が似合うとは! 橋本裕志による脚色は半ば強引なところもあるが、学生から子持ちまで、相変わらず芸達者な伊藤沙莉と田中圭の暴走していく狂気に、★おまけ。
目黒蓮をちゃんと覚えました。
この秋冬3作公開の廣木隆一監督の中でも一番穏やかで沁みる一本かなと。大泉洋、柴咲コウ、有村架純はわかっていましたが目黒蓮が4番手じゃなくてメインの4人の一角をちゃんと務めていたのが嬉しい驚きでした。流石、目下話題作に引っ張りだこというのも納得です。非常に特殊な設定の物語なのでメインキャストの演技には”地に足が着いている感覚”をちゃんと感じられないと全くの絵空事に見えてしまうのですが、(目黒君も含めて)ちゃんと作品の重点になっていました。それを引き出す廣木監督の手腕も当たり前と言えば当たり前ですがお見事の一言です。音楽や映画の普遍性を再確認できる作品でもありました。