オカムロさん (2022):映画短評
オカムロさん (2022)ライター2人の平均評価: 3
日本版『キャンディマン』降臨
『真・事故物件 本当に怖い住民たち』に続く、「エクストリーム」×新鋭監督の共犯ホラー。冒頭20分の首チョンパ&スプラッタ描写に期待高まるも、それ以降はペラペラな脚本に、笑えない悪ノリ、行き当たりばったりな演出が目立ち始める。短編『全身犯罪者』がカナザワやゆうばり映画祭で話題を呼んだ松野友喜人監督の商業ロケットデビューは嬉しいが、長編を撮るには早すぎたか。とはいえ、三元雅芸×HAYATEが手掛け、『ゼイラム』のゼイラムVS.イリアを思い起こさせるオカムロと伊澤彩織のアクション・バトル。さらに『GUN CRAZY』なノリなど、クライマックスで盛り返すだけに、次回作に期待を込めて、★おまけ。
「ゼイラム」っぽさも魅力の伝奇ホラー・アクション
オカムロとは江戸時代から伝わる謎の妖怪。ネットでその名を検索したら最後、突然現れたオカムロに首を刈り取られてしまう。そんな恐るべき魔物を若者たちが復活させたため、日本中がオカムロ・パニックに!生き辛さを抱えた大勢の国民がオカムロ自殺を図ったり、「オカムロはただの風邪です!政府の捏造です!」と主張する陰謀論者が現れたり。そんな混乱の中、友人や家族をオカムロに殺された少女が復讐のために立ち上がる。そこかしこに社会風刺を込めた伝奇ホラー・アクション。それあるなら最初から使えよ!的なラストを含めてツッコミどころは多いが、『ゼイラム』に影響されたようなオカムロの造形や世界観は嫌いじゃない。