キングメーカー 大統領を作った男 (2021):映画短評
キングメーカー 大統領を作った男 (2021)不正をしてでも選挙に勝つことは正当化できるのか?
選挙制度など名ばかりだった軍事独裁政権下の韓国。清廉潔白で品行方正な理想主義者ゆえ、金品で票を買うなど卑劣な手段を使う政権与党に選挙で太刀打ちできない野党政治家を、目的のためなら手段を選ばない影の選挙参謀が大統領へと押し上げようとする。元韓国大統領・金大中とその選挙参謀・厳昌録をモデルにした実録政治サスペンス。「毒草も使い方次第では薬になる」とばかり、次々と独裁政権の裏をかいていく展開にある種の痛快さを覚えるものの、しかしやがて「正しい目的のためなら手段は不問」は本当に正当化できるのか?という疑問が沸きあがる。そもそも、政治とは誰のためのものなのか。日本の政治家にも見て頂きたい映画である。
この短評にはネタバレを含んでいます