なのに、千輝くんが甘すぎる。 (2023):映画短評
なのに、千輝くんが甘すぎる。 (2023)ライター2人の平均評価: 3
安全安心の新城毅彦監督が、畑芽育の才能をより開花
失恋娘が学校一のイケメン男子と「片思いごっこ」するわ、美少年ぶりが尋常じゃない板垣李光人がヒロインに相手にされないわと、ありえない展開満載のキラキラ映画だが、そこは安全安心の新城毅彦監督作。「女子高生の無駄づかい」「荒ぶる季節の乙女どもよ。」などの学園ドラマでのサブキャラで頭角を現した畑芽育のコメディエンヌとしての才能をより引き出すうえ、俳優として未知数な高橋恭平の存在感をしっかり生かしている。『午前0時、キスしに来てよ』で新城監督と組んだ大北はるかによる脚色に、「ブラッシュアップライフ」のfox capture planによる劇伴との相性も良く、いつの間に独特な世界観に入り込むはず!
ニコニコが止まりません
キラキラ映画と揶揄する人もいるかもしれませんが、ティーンエイジャーの恋愛を軽やかに肯定的に描く映画が続くのは日本特有の映画文化でこれはこれで良いのではと思います。本作もまた片思いの素敵さと、恋に落ちたときの心躍る感覚を巧く引き出しています。この辺りは新城監督なので安心です。
主演の高橋恭平はやはり経験不足からくる硬さがありますが、そこは女子や恋愛に興味のない陸上一本の王子様キャラが乗っかることで相殺されています。ヒロインの畑芽育はキャリアがある人なのでバランスもとれていると思います。春にぴったりの良い映画でした。