ウンチク／うんこが地球を救う (2022)：映画短評

　地球の環境問題やエネルギー問題の過去と現在を紐解きつつ、これからの「未来」へ向けた解決策を模索するワリと真面目なドキュメンタリーなのだが、ユニークなのは誰にとっても身近な「ウンチ」を切り口にして分かりやすく解説していること。なにしろ、人間はもとよりあらゆる生物が日々「ウンチ」を排泄しているわけだから、地球環境にも様々な影響をもたらしているのは当然だし、それを上手いこと有効活用しない手はなかろう。なるほど！そんな再利用法もあるわけね！という発見も多いし、アポロ10号で実際に発生した「ウンチ」浮遊事件の音声記録など面白ネタも盛りだくさん。大人から子供まで楽しく学べてタメになる作品だ。

　地球上のあらゆる生物と無縁ではない“ウンコ”にスポットを当てた、ありそうでなかったドキュメンタリー。これはもうアイデアだけで面白い。

　邦題どおり、ウンコに関するうんちくが速射砲のように語られ、下品に走らず、むろんユーモアも忘れない。フツーに生活していても大便ジョークはあるものだが、それらがサラリとナレーションの中に交えられているのがイイ。

　下水処理や衛生問題などの社会意識はもちろん、日本でも時々ニュースになる、牛フンを利用したバイオガス発電の可能性にも言及し、興味深く見ることができる。環境保護意識の高い人のみならず、排泄するすべての人に見て欲しい。