ippo (2022):映画短評
ippo (2022)シュールでへんてこな世界観に引き込まれる
無類の映画好きとして知られる柄本佑が、17年から22年のあいだに撮った3本の短編集。すべて2人の男が織りなす何気ない会話劇×不条理劇ということで、かなり演劇的かつ実験的。これは明らかに、父・柄本明が座長を務める「劇団東京乾電池」からの影響が強いのだが(3作の脚本に加え、画家役で出演する加藤一浩も所属)、交友関係の広い監督らしい豪華キャストと『ドライブ・マイ・カー』の四宮秀俊による撮影の力もあって、その“へんてこ”な世界にどんどん引き込まれていく。ちなみに、『ムーンライト下落合』では自身作品の撮影が延期になった三宅唱監督が助監督として参加しているなど、撮影裏話まで興味深い。
この短評にはネタバレを含んでいます