ハリガン氏の電話 (2022):映画短評
ハリガン氏の電話 (2022)どんなジャンルか気にせず観ることで想定外のサプライズと見応え
スティーヴン・キング原作なので『IT』『ゴールデンボーイ』の空気感が漂いつつ、どう進むかわからない不安定感が妙に心地よく、端正な演出と編集に心つかまれる印象。
一人暮らしの裕福老人に読み聞かせのバイトを続けた少年の成長、イジメも含めた高校の青春ストーリー、そして流行し始めた頃のiPhoneの役割…。これらが重なりジャンルも不確かな感覚に囚われ、中盤の急展開から、思わず声を上げてしまうドッキリシーンまで、映画の流れはスムーズ。
『IT』でブレイクし『ナイブズ・アウト』などで役者として急成長したジェイデン・マーテル、またも唯一無二のハマリ役。
一見、直訳すぎて工夫のなさげな邦題も今回ばかりは的確。
この短評にはネタバレを含んでいます